絶対に失敗しないためのダイエットの原則

人類にとって、ダイエットは永遠のテーマです。太っているとどうしても見苦しくなりますし、糖尿病や高血圧など、いわゆる生活習慣病にもかかりやすくなってしまいます。でも、厳しい食事制限や苦しい運動などは誰もやりたくありません。出来ればなるべく楽をして痩せたいものです。

ということで、ここではダイエットの原則についてまとめています。はじめに断っておきますが、ダイエットに近道はありません。脂肪吸引や胃の部分切除をすれば話は別ですが、そうでない場合、しっかりと基本をおさえて地道に努力する以外の方法はありません。

カロリーの収支を合わせる

人間は食べ物によってエネルギーを補給し、それを使って活動しています。筋肉を用いて身体を動かすのはもちろん、脳で色々と考え事をしたり、息をしたり心臓を動かしたりという事には全てエネルギーが使われます。つまりエネルギーが無ければ何も出来ないのです。

このようにエネルギーは非常に重要なものなので、人間の身体はそれをなるべく蓄えようとします。様々な形でエネルギーを蓄えるのですが、長期的に蓄えるには脂肪という形が最も適しているため、人間の身体は余ったエネルギーを脂肪にしたがるわけです。この脂肪が貯まり過ぎた状態が肥満です。

では脂肪を増やさないためにどうすればいいのかというと、一番重要なのはエネルギーを余らせない事です。一日に摂取するエネルギーと消費するエネルギーを計算し、それがプラスマイナスゼロであれば、太らないし痩せないという状態です。ダイエットをするためにはこのカロリー収支を調整し、摂取エネルギーよりも消費エネルギーが多いという状態にしてやればいいのです。

エネルギーは一般にカロリーという単位で表現します。1グラムの水の温度を1度上げるのに必要なエネルギーが1カロリーで、キロカロリー(kcal)というのはその1,000倍です。成人の場合一日に大体2,000kcalから3,000kcal程度のエネルギーを消費しています。

余ったエネルギーは脂肪として身体に蓄えられるのですが、脂肪1kgは大体7,000kcalから10,000kcalに対応すると考えられています。例えば一ヶ月で3kg痩せようと思ったら、20,000kcalから30,000kcalくらい消費カロリーの方を多くしてやればいいという計算になります。もちろん、摂取エネルギーを減らしても脂肪だけが減るわけではありませんし、個人差も非常に大きいものです。あくまでも参考にするための数字として覚えておいて下さい。短期的に30,000kcal消費しても、決して3kg痩せられるわけではありません。

カロリーの消費を増やす

カロリーの消費量をカロリーの摂取量よりも多くするひとつの方法は、消費カロリーを増やすことです。ようするに運動をしましょうという話なのですが、闇雲に運動する前に基礎代謝についての知識をつけておく必要があります。

人間が消費するカロリーは、基礎代謝によるものと、その他のものに分けて考えることが出来ます。基礎代謝とは、特に何もやっていない状態で身体が使用するエネルギーのことです。例えば、脳を動かしたり、心臓や肝臓などを動かしたりしないといけないわけですが、これらに使われるエネルギーを合計したものが基礎代謝量です。成人の場合、一日大体1,200kcalから1,500kcal程度と言われています。

したがって、カロリー消費を増やそうとした場合、基礎代謝を増やすのか、それ以外を増やすのかで戦略が変わってきます。もちろん通常は両方とも増やすことになるでしょうが、そのバランスを考える必要があります。

基礎代謝を増やそうとする場合、重要なのは筋肉の量です。基礎代謝の量は身体の中にある筋肉量によってかなりの部分が決まります。よって、基礎代謝量を増やそうと思ったら、筋肉を付ければいいのです。この場合は、ウェイトトレーニングやストレッチが主な方法になります。

一方、基礎代謝以外のエネルギー消費を増やそうと思った場合、有酸素運動をメインとしたメニューを考えることになります。例えばジョギングやウォーキング、水泳やエアロビクスといったものです。

筋肉量を増やした場合、基礎代謝量が上がりますのでその効果はずっと続きます。一方で一時的な運動によってカロリーを消費した場合、その効果はその時限りです。一見すると筋肉量を増やして基礎代謝を上げた方がいいように見えますが、それはその通りです。まずは筋肉を増やして基礎代謝を上げましょう。そのとき気を付けたいのは、二の腕や腹筋だけが筋肉ではないということです。身体の内側の見えないところにも筋肉はありますので、ストレッチなどによって効果的に筋力アップを目指しましょう。

ただもちろん、ジョギングやウォーキングなどの運動も効果がないわけではありません。運動によって筋肉量も増えるでしょうし、心肺機能の向上やストレス発散などといった効果も期待出来ます。継続的に運動するのは楽なことではありませんが、自分にあった運動を見つけて長く続けるのがダイエットのコツです。

カロリーの摂取を抑える

カロリー消費量をカロリー摂取量よりも多くするもう一つの方法は、当然カロリーの摂取量を抑えること、つまり食事制限です。ダイエットというと辛い食事制限をイメージする人も多いと思いますが、そんなに極端なことをする必要はありません。というか、無理のある食事制限はどうせ長続きしませんし、どこかで反動がやってきますので逆効果です。上手くダイエットするコツは、無理のない範囲でカロリー摂取量を減らすことです。

カロリー摂取を考える上で覚えておいて欲しいのは、同じ量のカロリーを摂取してもそれが身体に吸収されたり、脂肪として蓄えられたりする量には違いがあるということです。細かい議論は色々ありますが、要するに「寝る前に食べないこと」「暴飲暴食をやめること」です。

寝ている間というのは、エネルギーをあまり使いません。したがって、寝る前にエネルギーを摂取してしまうと、たくさんのエネルギーが余り、その分脂肪が増えてしまうという理屈です。ご飯を食べたら、最低でも2時間、出来れば3時間は起きているようにしましょう。太っている人の中には「お腹が空き過ぎて眠れない」ということを言う人がいますが、そんなのは気のせいです。三日くらい何も食べていないのなら別ですが、人間の身体というのは食欲よりも睡眠欲が勝つように出来ています。

暴飲暴食についても理屈は同じです。必要以上に食べた場合、当然エネルギーが余りますから、身体としては脂肪を増やすチャンスです。ここぞとばかりに脂肪を貯えはじめます。また、朝食や昼食を食べないというのも逆によくありません。お腹が極端に空いている状態で食べ物が入ってくると、身体としては念のためそれを蓄えておこうと考えます。つまり、このチャンスを逃したら、次はいつエネルギー補給が出来るか分からないと不安になるのです。

結局のところ、一日三食を決まった時間に決まった量だけ食べるのが一番いい方法です。無理に食事を抜いたり、極端に量を減らしたりするのは逆効果になってしまいます。もし量を減らすのであれば、最初はご飯一口分とか、お肉一切れとかを減らせばいいのです。お肉一切れを毎日我慢すれば、一年後には何kgも痩せていることでしょう。継続は力なりです。

絶対に失敗しないダイエットのコツ