DisplayPort問題とは
DisplayPort問題とは、PCがスリープから復帰する際に、ウィンドウの位置や大きさ、アイコンの配置などが勝手に変わってしまう問題です。
PCとモニタをDisplayPortで接続している環境で起こります。特に、複数のディスプレイを使うマルチディスプレイ/デュアルモニタの環境だと、ウィンドウが他のモニタに移動したりしますので、それをいちいち元に戻すのは大変な手間です。
DisplayPort問題が起こる原因は、ずばりDisplayPortの仕様にあります。
DisplayPortの仕様では、モニタの電源がオフになるとアンプラグイベントというのが発生し、これを受け取ったPCはモニタが無くなったと認識してしまいます。それで、無くなったなら仕方ないということで、もうひとつのモニタの方へウィンドウやアイコンを移動してくれます。でも、モニタの電源が点いたときに元に戻してはくれないので、ただのありがた迷惑な機能です。
そもそも何でこんな仕様にしたのか意味不明ですが、世界中で困っている人がいっぱいいるはずなのに、すっきりとした解決は見られていません。
DisplayPort問題の解決方法
この問題を解決する方法として、以下のようなものが提案されていますが、いずれも一長一短があり完全解決には至っていないのが現状です。
- モニタを一台にする
- 電源を落とさないようにする
- 対応ディスプレイを使う
- ケーブルを二本差しする
- ホットプラグ状態を維持するアダプタを使う
- ウィンドウ位置を記憶してくれるソフトを使う
- レジストリをいじる
以下、おすすめ順に説明していきます。
モニタを一台にする
問題を解決したかどうかは微妙ですが、実際に私がとった対策がこれです。
時代は4Kですので、別に頑張ってマルチディスプレイ環境にする必要はありません。30インチとか40インチとかの4Kディスプレイであれば、一枚であっても作業領域が足らないということはありません。
長年デュアルディスプレイの環境で作業して来ましたので、その良さは十分わかっていますが、DisplayPort問題に悩まされ続けるくらいならシングルモニタにしてしまった方がすっきりするというものです。
電源を落とさないようにする
次におすすめなのが、電源を切らないようにする方法です。とても原始的ですが、単純な分だけ効果的です。モニタの電源さえ落とさなければ、DisplayPort問題を完全に回避できます。
もちろん、環境によっては24時間PCをつけておくのは難しいかも知れません。職場であれ、自宅であれ、電気代はかかりますし、モニタやPCの寿命にも少なからず影響するでしょう。
対応ディスプレイを使う
DisplayPortの仕様は今さら変えられませんが、ディスプレイの方で対応しようという努力は行われています。メーカーによっては、DisplayPort問題をほぼ解決した商品が出ていますので、新規で購入するのなら、その辺の情報を調べてから買った方がいいと思います。
ただ、現状すでにモニタがあるのであれば、DisplayPort問題だけのためにモニタを買い換えるのはさすがに悔しいですし、お金ももったいないです。
ケーブルを二本差しする
モニタとPCとの間の接続を、二本にするという方法も効果的です。
DisplayPortに加え、HDMIやDVIやD-subの線でもつなげてやるのです。OSからは複数のモニタとして認識されますが、ひとつはダミーとして切断した状態にしておきます。
そうすると、モニタの電源が切れたときにOSが騙されることがほぼ無くなります。環境によってはこれで完全に直るみたいですが、環境によっては微妙に症状が残るらしいです。その条件は不明ですが、手元にケーブルが用意できるのであれば試してみる価値は十分あります。
ホットプラグ状態を維持するアダプタを使う
これだけ重大な問題ですので、これをハードウェア的に解決する試みも行われています。DisplayPortとPCとの間に挟み込むことで、ホットプラグ状態を維持してくれるアダプタが市販されています。
ただし、いわゆる同人ハードウェアですので、もちろん動作の保証はないですし、万一PCやモニタが壊れたりしてもそれは自己責任です。ハードウェアに詳しい人は一度試してみたらいいと思いますが、詳しくない人はちょっと手が出せない方法です。
ウィンドウ位置を記憶してくれるソフトを使う
ソフトウェアの方で対応するという考え方もあります。要はよく使うウィンドウ位置に楽に戻せればいいので、それを目的としたソフトが開発されています。ただ、ウィンドウによっては微妙にずれたり、動かせなかったりということがあり、このソフトだけで完全に解決するというようなものではありません。
レジストリをいじる
レジストリを書き換えることで症状が改善するという報告もあります。ただ、これも素人には手が出しづらいですし、すっきりと解決するわけではないらしいです。
終わりに
ここでは、DisplayPort問題の解決法を一通り紹介しました。完全な解決法は得られてなく、これからもこの問題に悩まされる人が現れ続けるでしょう。結局のところDisplayPortの仕様の問題ですので、次の世代の仕様が出てくるのを待つしかないのかも知れません。