風邪を素早く治す方法

風邪というのは本当に厄介な病気です。発熱、咳、鼻づまり、頭痛、腹痛、目眩、吐き気など、色んな症状で我々を苦しめてきます。出来れば一生かかりたくですが、どうもそれは不可能なようで、いくら健康な人でも何年かに一回は風邪にかかります。正確な統計をとったわけではありませんが、多分普通の人は年に2,3回くらい風邪にかかっているでしょう。うがい、手洗い、規則正しい生活など、風邪の予防法は色々ありますが、100%防ぐことなんて誰にも出来ません。かかってしまうときにはかかってしまうのが風邪という病気です。

ということで、風邪になってしまうのは仕方の無いことですから、後はかかってしまった後にいかに上手く治すのかという点が重要になります。ここではそのポイントについてまとめてみました。

まず一番大切な事は、風邪薬を飲まない、ということです。よく誤解されていますが、風邪薬は風邪を治すためのものではありません。あくまでも、咳や鼻づまりといった風邪の症状を抑えるためのものです。つまり、風邪薬をいくら飲んでも風邪は治りませんし、それどころか逆に風邪を長引かせてしまう原因になります。

そもそも風邪の原因は何かと考えると、それはウイルスです。風邪ウイルスが体内に侵入し、色々と悪さをして身体の具合を悪くするのです。ただ、風邪の症状のほとんどは身体の自己防衛機能が働いた結果だということを忘れてはいけません。風邪ウイルスに限らず、ウイルスの中には熱に弱いものが多いので、ウイルスが身体の中に入ったことを検出すると身体は熱を出すのです。体温を上げてウイルスをやっつけてしまおうという戦略です。咳や鼻水、腹痛なども理屈は同じで、ウイルスを体外に排出しようとしているわけです。

したがって、風邪薬を飲んで熱を下げたり鼻水を抑えたりしてしまうと、その分ウイルスを減らす効率が落ち、風邪が治るが遅くなります。では何故風邪薬などというものが出回っているのかというと、それは風邪薬が必要になる事もあるからです。

まず、熱が上がりすぎてしまうという事が考えられます。年齢とか体質とかにもよりますが、38度くらいの熱であれば人間というのは耐えられるように出来ています。ですが、40度とか42度とかになってしまうと、身体の色々なところが耐えられなくなって、風邪ウイルスよりも先に参ってしまうのです。そうなると取り返しのつかない事になるので、そうなる前に解熱剤を使ったりして熱を下げてやる必要があります。これが風邪薬(というか解熱剤)を使わないといけないひとつのケースです。

それから、仕事などの関係で、どうしても休むことが出来ないという場合があります。基本的には風邪をひいた場合、公共の場所に出かけていくと他の人の迷惑になるので、家でおとなしく寝ているのが一番なのですが、そうも言っていられない事は確かにあります。一人娘の結婚式だったり、大学の入試だったりした場合には、風邪をひいたからといって休むわけにもいきません。仕方がないので、風邪薬を飲んで症状を抑えてやる事になります。

このように、風邪薬を飲まないといけない時もあるにはありますが、私としては可能な限り飲まない事をおすすめします。会社で大事な会議があるとか、学校で期末試験があるとか、そのくらいの用事であれば思い切って休んでしまえばいいと思います。会議なんて後でどうにでもフォロー出来ますし、試験を受けなくたって成績が下がるくらいの影響しかありません。そんな事よりは自分の身体の方を大事にすべきかと思います。

そして、風邪を治すために重要なのは、栄養をとって暖かくして寝ている事です。割と普通の事ですが、やはりこれが王道です。風邪を治すのは風邪薬ではなく、人間の身体の自然治癒力です。ですから、しっかりと栄養をとって自らの治癒力を高い状態に保ち、余計な事にエネルギーを使わずにじっとしているのが一番なのです。人間の身体というのは思ったよりも巧妙に出来ていますので、普通の体力の人であれば風邪は2,3日で治ります。変に薬を飲んでしまうので、それが1週間とか長引いてしまうのです。

とにかく、風邪をひいたときには薬を飲まず、勝手に治るのを待つ。結局のところこれが風邪を最も早く治す最善の方法なのです。