学生のための課題レポートの書き方

はじめに

本稿は、大学などの講義において課されるレポートの書き方についてまとめたものです。レポートを作成するにあたって重要な点を述べていきます。

まず重要なのは、レポートを書く目的を考えることです。多くの場合、レポートを提出する目的は、教員に採点してもらうことです。課題を出した教員は、学生のレポートを読み、その内容が一定以上の水準にあれば単位を出します。この点は忘れないで下さい。

「レポート」を日本語にすると「報告書」です。つまり、自分が課題に取り組んだ結果について教員に報告し、その内容に応じた評価を受けることがレポート作成の目的です。

よって、レポートを書く際に重要なのは、課題を課した教員の意図を汲み、それに見合ったレポートとすることです。教員は、何らかの教育的意図があって課題を課しています。その内容を把握し、重要なポイントを外さないように報告しなければいけません。

教員が意図した内容を自分が確かに実施したということを、教員に間違いなく伝えることがレポート作成の目的です。

前提条件

レポートの内容以前に守らないといけないことがいくつかあります。

まず、教員の指示に従うということ。レポートを課された場合、通常はいくつかの条件が付いているはずです。

一番重要なのは締切で、指定された締切に間に合わなかった場合は全く評価されなくても仕方ありません。病気や急用などでやむを得ず間に合わないケースも考えられますが、そのような場合でも事前に連絡は入れましょう。

例えば、レポートを出しに行く途中で交通事故にあったとしても、メールや電話くらいは出来るでしょう。意識が無ければまあ仕方ありませんが、厳しい教員であれば、不測の事態に備えて前日までに出しておけば問題なかった、ということを言うかも知れません。多少厳しいですが、これにも一理ありますので、レポートは余裕を持って早めに出すようにしましょう。

また、レポートの分量や用紙サイズ、行数などに対する指定があれば、それは必ず守りましょう。レポートの採点については教員が全権を握っています。その教員の指示を守らなかったのであれば、どんな採点をされても文句は言えません。

例えば、各ページにページ番号を付けること、とか、左上をステープラーでとめること、といった条件であっても、それを守らなかったという理由で0点になる可能性があります。普通は減点で済むと思いますが、それは教員が決めることです。自分で判断せず、教員の指示に忠実に従いましょう。

レポート作成の手順

課題が出たからと言って、いきなりレポートを書き始めてはいけません。また、一通り書いたからと言って、そのまますぐに提出してもいけません。レポートを作成するには以下の手順を踏む必要があります。

  • 調べる
  • 実施する・考える
  • 書く
  • 見直す
  • 提出する

まずは、課題に関して情報を集めます。教科書やネットを見て、課題についての予備知識をなるべくたくさん仕入れましょう。評価の高いレポートを作成出来るかどうかは、この段階をどれだけ真面目にやるかにかかっています。

次に課題の内容を実施します。実験や実習・演習であれば、実施する内容は割と細かく説明されているでしょうから、それに従って実施します。もし指定されていないのであれば、よく考えて実験内容と手順を設計して下さい。

「考察せよ」とか「論ぜよ」という課題であれば、すぐにレポートを書き始められるようにも思いますが、そうではありません。収集した情報を整理し、自分の頭を使って考えなければいけません。よく考えて自分なりの結論が出るまでは、最初の一行を書いてはいけません。

書く内容が決まったら、いよいよ書き始めます。ただ、いきなり文章をかける人はいませんので、章立てを決め、それぞれの章や節に何を書くか決めてから本文を書きましょう。

レポートは長くても短くてもいけません。必要なことだけを過不足なく記述するべきです。

一通り書き終わったら見直しを行います。この作業によってレポートの質は間違いなく高まります。時間の許す限り何度でも見直しを行いましょう。

何回か見直して、自分で納得出来る品質になったら無事に完成です。指定された方法で間違いなく提出しましょう。あとは、いい評価が得られるよう祈るだけです。

論理的に書く

レポートは論理的に書かなかればいけません。

教員はあなたの感想を読みたいのではありません。自分の意見を書く場合も、なるべく客観的な証拠を積み上げて論理展開をしっかりとすべきです。

特に考察と感想の違いには注意しましょう。「~と思った」「~と感じた」というのは自分の主観を書いているだけです。このような表現はレポートでは使ってはいけません。自明でないことを書く場合は、可能な限り証拠を示しましょう。それが難しい場合は「~と推測する」とか「~~と言える」とか書くようにしましょう。

正しい日本語で書く

当たり前のことですが、レポートは正しい日本語で書かなければいけません。

しっかりと推敲していれば、誤字や脱字は無いはずです。それだけで減点する教員は少ないと思いますが、誤字脱字があると心証は悪くなります。少なくとも、自分で読み直していないことは分かりますので、例えいいことが書いてあっても、詳細に読んでもらえない可能性が高まります。

また、読みやすい文章を心がけましょう。文法的な間違いはもちろんいけませんが、例え文法的に正しくても読みづらい文章だと教員は読む気が失せるでしょう。何度も読み直し、読みやすい文章となるように手直ししましょう。

基本的なことですが、文体を統一することも重要です。「ですます」調と「だである」調が混ざっていると読みにくいですし、信用を失います。レポートでは特に指定がない限り「だである」調を使って下さい。

推敲

レポートの質を高めるためには推敲が欠かせません。

推敲は何度やってもやり過ぎということはありません。せっかく時間をかけてレポートを作るのですから、いい文章を書きましょう。

推敲するときは、少し時間を空けるのがいいでしょう。書いてすぐに見直すと、自分が書いた内容を覚えていますので、無意識に飛ばし読みをしてしまいます。1日か2日時間を空けて見直すと、意外と新たな問題点が発見できるものです。場合によっては紙に印刷するのも効果的です。

推敲の段階で追加実験や再調査が必要になることもあるでしょう。もちろん、可能であればやった方がいいに決まっているのですが時間は有限です。費用対効果を考え、対策を練りましょう。再調査などが無理な場合は、レポートの最後に「~については今後の課題である」などと書いておけば、その点について検討したということは伝わります。

引用と盗用

引用と盗用の違いについて理解しましょう。ネットや教科書の情報をそのままレポートに写すのは盗用です。

引用自体は悪いことではありません。自分の説を立証、補強するために他人の論文や文章を示すことが必要な場合もあります。ただ、引用する場合には、引用元を明確に示さなければなりません。

引用であることを明示せずにコピペした場合、それは盗用です。つまり、他の人が書いた文章を、まるで自分が書いたかのようにレポートに載せてはいけないということです。

ネットや教科書の丸写しは、読む人が読めば大体分かります。ですから、横着をせずに自分の言葉で書くようにしましょう。

まとめ

本稿では大学等での課題レポートの書き方についてまとめました。

質の高いレポートを書くのは簡単ではありません。ですが、レポートを書く能力は大学を卒業した後もきっと役に立つでしょう。いい勉強になりますので安易に楽をしようとせず真面目にレポートを書きましょう。