大学の講義や企業の新人研修でのレポートには「考察」が求められます。しかし、それまでレポートを書いた経験が少ない人にとっては、考察を上手く書くというのは意外と難しいようです。何を書いたらいいのか皆目見当が付かない、という状態になってしまったことはありませんか?
ということで、ここでは考察の書き方、特に「感想」との違いについてまとめます。
「感想」とは
まずは辞書を調べてみましょう。「デジタル大辞泉」には以下のように書いてあります。
物事について、心に感じたことや思ったこと。所感。「―を述べる」「読書―文」
簡単に言うと、自分が感じたことや思ったことが感想です。例えば、
- 課題が出来て嬉しかった
- 難しくて全然分からなかった
- これからもっと頑張ります
というのが感想です。
同じ出来事であっても人によって受け取り方は様々ですから、もちろん感想も色々です。「楽しい」と感じたのであれば楽しかったのです。そこに理屈は必要ありません。
「考察」とは
考察についても辞書を見ると、以下のようになっています。
物事を明らかにするために、よく調べて考えをめぐらすこと。「深い―を加える」「日本人の社会意識について―する」
つまり、何らかのテーマに関して、文献などを調べたりしながら論理的に考えるのが考察です。例えば、
- この現象の原因は○○である
- ○○であれば××である
というのが考察で、そこには論理性や客観性が求められます。
「感想」と「考察」の違い
感想は個人の主観であり客観性は求められませんが、考察は客観的でなければいけません。事実を元に論理的に結論が求められる必要があるのです。
したがって、考察の中に感想を含めてはいけません。自分の勝手な気持ちを入れてしまうと、それはもう考察ではなく感想になってしまいます。
逆に、感想の中に考察を入れるのは構いません。論理的に考察した結果について個人の感想を述べるのは自由です。
ということで、「感想」と「考察」の違いについてまとめました。「感想」は個人の思い、考察は論理的な考え、です。この点によく注意していいレポートを書きましょう。