「貯蓄から投資へ」とか「貯蓄から資産形成へ」と政府が投資を煽っていますが、その割には投資人口が増えていません。一番の原因は日本人の投資嫌いの性格にあるのでしょうが、政府がまともな振興策を打ち出さないことも大きな原因です。
つみたてNISA、NISA、iDeCoと、それなりに出してきてはいるのですが、正直なところ全部微妙です。みんながビックリするくらいのお得感がないと、なかなか投資を始めようなんて気にはならないものです。
と、不平ばかり言っていてもお金は増えませんので、出来る範囲で頑張るしかありません。つみたてNISA、NISA、iDeCoは微妙ではあるのですが、やらないよりはやった方がお得です。
ただ、特に投資初心者にとっては、どれを始めればいいのか分からないと思いますので、簡単にまとめてみました。各制度の詳細については、詳しくまとめているサイトがいっぱいあるので、そちらを参照下さい。
まずは、簡単に3つの制度のメリット・デメリットをまとめます。
NISAのメリット・デメリット
NISAは、年120万円までの投資に対する運用益が非課税になる制度。期間は5年ですので、総額600万円まで投資できます。
NISAのメリットは、自由に投資対象が選べることです。自分の好きな銘柄を選んで個別株を購入できます。銘柄選びが面倒であれば、ETFやREITを買うという手もあります。
デメリットは管理が面倒ということです。毎年株を買わないといけませんので、それなりに手間がかかります。また、つみたてNISAとの併用は出来ません。
つみたてNISAのメリット・デメリット
投資信託を定期的に買うことしかできないNISAです。限定額は年40万円で期間は20年。計800万円分の投資における運用益が非課税になります。
メリットは、最初に金額と投資信託を選ぶだけで、あとは勝手に積み立ててくれること。基本的には放置で問題ありません。投資に時間を使いたくない人にとっては大きなメリットでしょう。
デメリットは、投資信託しか買えないことです。投資信託には信託報酬がかかりますし、自分の好きな銘柄を買うこともできません。
投資信託とは文字通り、信じて託すことです。その対価として信託報酬を払うわけですが、多くの投資信託では報酬に見合った利益が得られません。多くの場合、自分で適当な銘柄を選んで個別株を買う方がお得です。
また、通常のNISAと併用することができません。どちらかを選ぶのであれば通常のNISAがオススメです。
iDeCoのメリット・デメリット
iDeCoは個人型確定拠出年金のことで、国民年金と同じように毎月一定額を積み立て、60歳以降に受け取る制度です。限度額は国民年金の加入形態によって異なり、第1号なら年間81.6万円、2号や3号なら14.4万円から27.6万円です。
iDeCoのメリットは、NISAと違い拠出時にも所得控除が得られることです。NISAでは利益が出ない限り節税効果がありませんが、iDeCoでは掛金を払うだけで節税になります。また、毎月自動的に引き落とされますので、一旦設定すればあとは放置出来ます。
また、投資対象として投資信託だけでなく定期預金や保険も選べます。値下がりリスクを避けたい人にとっては一応メリットと言えるでしょう。
一方デメリットは、60歳まで引き出せないこと。一旦契約すると、基本的には60歳まで解約出来ません。年齢によりますが、20年も30年も先にならないとお金が返ってこないのは大きなデメリットと言えるでしょう。
選び方
さて、それぞれのメリット・デメリットは分かりましたが、ではどれを選べばいいのか?色々と考え出すと難しいので、簡単にまとめました。
余裕資金が無い人
投資以前の問題です。家計を見直してまずは余裕資金を作りましょう。
お金を貯める基本は、支出を減らして収入を増やすことです。
60歳までお金に困らない自信がある人
iDeCoの欠点は60歳まで資金が拘束されることです。60歳までのどこかで生活費が足らなくなったとしても、解約することが原則できません。また、もともと所得税・住民税をあまり払っていないのであれば、節税効果が得られませんのでiDeCoをやる意味はありません。
この2点がクリアできるのであれば、iDeCoはやっておいた方がお得です。ただし、iDeCoはNISAとの併用が可能ですので、NISAの枠が余っていればまずはそちらを使い切りましょう。
それ以外の人
それ以外の人にはNISAをオススメします。
つみたてNISAは投資信託しか買えませんので、通常のNISAの方がお得です。通常NISAでは個別銘柄を自分で選ばないといけませんが、分からないときは適当に3銘柄くらいを買っておけば問題ありませんし、心配性ならETFを買っておけばいいでしょう。
また、つみたてNISAに対する通常NISAの欠点としては、毎年自分で株式を購入しないといけないという事がありますが、年に一回のことですので我慢しましょう。
まとめ
以上のように、ほとんどの人にはNISAがおすすめです。まだやっていないのであれば、まずはNISAを始めましょう。資金に余裕がある人はiDeCoも併用した方がいいでしょう。
ただ、NISAは2024年で終了してしまう予定です。政治的な問題ですので、その後どうなるかは不透明ですが、きっと代替の何かが始まるでしょうから、そのときまた検討するしかありません。